ストーブの季節になると毎年見かける誤給油による火災事故のニュース。

ストーブは「石油ストーブ」などとも呼ばれます。

そうなると、どちらも石油から作られる「灯油」と「ガソリン」、
どちらでも好きな方を給油してもよさそうに聞こえます。

ですが当然そうではありません。

しかし、ガソリンと灯油はどちらも、
「火がつきやすい」という引火性が高い性質があります。

なのになぜストーブに灯油を入れても大丈夫なのに、
ガソリンをいれると火災事故になるのはどうしてなのだろうか?

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◆引火性が高い性質

ガソリンと灯油はどちらも、
「火がつきやすい」という引火性が高い性質があります。

しかし、ガソリンと灯油ではその引火性の性質に違いがあります。

・ガソリンの性質

ガソリンは、この性質に加えて「蒸発しやすい」という、
強い揮発性(液体から気体への変化)を持ち合わせています。

この揮発性はとても高く、氷点下の温度であっても気体となります。

そのため、火を近づけるだけで、
液体に火が届く前に周りの空気が燃え始めるのです。

・灯油の性質

一方で灯油の揮発性はそこまでは高くはありません。
常温では簡単には気化せず火を近づけるだけで燃えるようなことはありません。

このような違いから、気発生の高いガソリンは、
金属容器に入れなくてはならないと消防法で定められています。

禁止の理由としてはガソリンの揮発性に高さにより、
プラスチックでは容器内で気化・膨張し破損などの可能性があるからです。

この性質の違いからガソリンの場合は、
灯油のようにポリタンクでの運搬は禁止されているのです。

◆どうしてストーブにガソリンを入れると爆発するのか?

ではストーブにガソリンを入れたらなぜ事故になるのか。

もしタンクの中にガソリンを入れたままストーブを使ってしまった場合。
タンク内は想定以上の高圧となります。

そのため燃料が通常以上に供給されることになります。

その結果、燃料の供給過多により、
ストーブは異常燃焼し火災事故につながるのです。

それだけではありません。

謝ってガソリンを給油したままのストーブなんですが、
たとえストーブに火をつけなかった場合でも非常に危険なんです。

なぜならタンク内が高圧であるがゆえにガソリンが気化状態で漏れ出します。

それが、たばこの灰、静電気という些細なきっかけで、
空気中に充満した気化したガソリンが爆発を起こし事故につながるのです。

また気化状態のガソリンは空気より重いため、
室内にこもりやすく引火につながりやすいのも特徴です。

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◆灯油とガソリンの見分け方ってあるの?

ちなみにもし「灯油」と「ガソリン」がわからなくなってしまった場合。

灯油とガソリンの見分け方は、色で簡単に見分けることができます。

ガソリンは灯油などと間違えないよう、
オレンジ色に着色することが法律で定められています。

ですから色が付いてたら注意が必要です。

◆灯油ストーブなのになぜ石油ストーブとよばれるのか?

そもそもなんで「石油」なんて名称が付いているのか?

それは石油ストーブ以前に使われていた、
「石炭ストーブ」との違いを強く出すためにつけられたものなのです。

ですから石油製品であればなんでも使用してよい、という意味ではないのです。

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