ヘマトクリットとは、
一定量の血液中に含まれる赤血球の数値の割合を示すものです。
・男性成人では、39-52%
・女性の場合は、34-44%
とされています。
ヘマトクリットが上記の値よりも高い原因は?
また、高いとなにか問題があるのだろうか?
目次
◆ヘマトクリットの値が高いとなにか問題があるのだろうか?
血液は心臓のポンプ機能により、血管を通って全身の組織に届けられます。
ヘマトクリット値が高くなると血液中に含まれる赤血球が多くなります。
そうなると血液が濃くなりますから粘度が高くなります。
極端に言うとドロっとした状態になります。
そのように粘度が高い血液は体の中を循環する過程において、
血栓(血液の塊)を形成しやすくなります。
つまり血液が詰まりやすくなる状態に。
この時に懸念される問題が、
・肺の血管に血栓が詰まると「肺塞栓」
・脳内の血管では「脳梗塞」
などの致命的な病気の元になってしまうことなのです。
そこでヘマトクリットが高い原因には、
どのような事情が関係しているのか考えてみましょう。
◆ヘマトクリットの値が高くなる原因とは?
ヘマトクリットの値が高くなってしまう原因としては2つ考えられます。
①
赤血球の数は変わらないのにも関わらず、高い数値を示す場合。
この場合は相対的多血症が生じていることが原因といえます。
相対的多血症ってなに?
血液中の血漿成分が少なくなり赤血球濃度が相対的に高くなっている状態です。
(血漿成分とは血液に含まれる液体成分の一つ)
症状の例で例えると。。。激しい下痢や嘔吐のケースです。
その場合、たくさんの水分が体外に放出されてしまいます。
結果、血液中の血漿(水分)も減るのです。
つまり。。。同じ量のカルピスの原液なのに、
薄める水の量がすくないため濃くなっている状態のことです。
この場合の対策としては、
水分不足でヘマトクリットの値が高くなっているだけです。
ですので、水分を摂取して脱水状況の改善に努めれば改善することが出来ます。
②
ヘマトクリット値が高くなる原因として、
もう一つ想定されるのが多血症(赤血球増加症)に罹患している可能性です。
この病気は血液を造る脊髄に異常をきたしているので、
病院での治療が必要になります。
◆最後に
ヘマトクリット値が高いと、
病気などの原因疾患が隠れている可能性が否定出来ません。
脳梗塞と言った重篤な病気になるリスクが高まります。
ですので、検査で異常があるなら積極的に治療に取り組むことを心がけて下さい。
また明確な原因が不明にもかかわらず、ストレス多血症も増加しています。
とりわけ、肥満で喫煙習慣を持つ男性に、
この病気の患者が増えているので注意が必要です。