麻疹(はしか)は一般的には子供がかかる病気と考えられています。
しかし、最近では大人でも麻疹になってしまう人が増えているのです。
どうして子供に多い病気が大人の間で流行るのでしょう?
目次
◆なぜ大人になって麻疹になるの?
その理由としては、
子供のときに麻疹ワクチンを接種している人であるならば
麻疹ウイルスに対しての免疫が、すでに体内にできあがっています。
しかし、1979年から1989年に生まれた人の中には、
麻疹ワクチンを接種していない人がいるからなのです。
というのもこの時代に麻疹の予防接種は、
強制的に学校などにおいて注射する方法ではなくなりました。
それぞれ個人で病院に出向いて予防接種しなくてはならなくなりました。
その結果予防接種をしてないない人が増えたのです。
また、1989年以前に生まれた人で、
予防接種を行い一度体内に免疫が作られた人であっても、
自然と免疫力の効果が少なくなっていくのです。
麻疹(はしか)の流行があまりない時には、
ウイルスに接する機会もそれほどないですから問題視されませんでした。
しかし、麻疹ウィルスが大人になった時に流行ることで、
その効果がちょうど薄れてきた時と重なり、発症するようになったのです。
◆大人が麻疹にかかった時の症状
麻疹にかかった時の症状は、
ウイルスに感染して8日から18日間程度の潜伏期間があります。
その後、咳、くしゃみ、鼻水、目の充血などと一緒に、
熱も38℃くらいになります。
また、その時に口の中に白い小さな斑点ができます。
大人が麻疹にかかった場合は重症化しやすいと言われています。
その理由としては。。。
体力を消耗し、抵抗力が下がることで、
細菌などに感染しやすくなり合併症を起こしやすいからです。
合併症を起こすのは年齢が5歳以下と20歳以上に多いといわれます。
◆合併症にはどんなものがあるのでしょう?
合併症には肺炎があります。
はしかの合併症の約半数は肺炎です。
人工呼吸器が必要となったり、死に至ったりする事にもなります。
また、細菌の二次感染により、中耳炎となることもあります。
心筋炎・心臓の筋肉に起きる炎症、
心外膜炎・心臓を覆う膜に起きる炎症もたまに起きる合併症です。
脳炎・発症率は高くはありません。
しかし、万一発症すると5%の人が死にいたったり、
後遺症が20%?40%の人に残ると言われています。
その他にも、麻疹(はしか)のウイルスの感染から、
ゆっくりと進行していく脳炎・亜急性硬化性全脳炎があります。
麻疹にかかってから7年から10年後に発病して、
知能障害や運動障害が少しずつ進行していきます。
発生頻度は稀で10万例に1人と言われます。
◆麻疹(はしか)を治す薬って?
麻疹(はしか)を治す薬(特効薬)はありません。
ですから発症した時には風邪の場合と同じように対処療法しかありません。
(例えば、熱が出れば解熱剤というように)
とはいっても合併症が無ければ、自宅で安静にしていれば完治する病気です。
もしあなたが、
麻疹になったことがない。
予防接種を2度受けていない。
このような場合は麻疹になる可能性が高くなります。
ワクチンを2度接種しているかどうかわからないという場合や、
すでに麻疹にかかったかどうかわからないという時には、
抗体検査を受けて必要に応じてワクチン接種がすすめられます。