多汗症治療の方法として注目を集めているボトックス注射ですが、
実は2012年11月から保険適用が可能になりました。
詳細について確認してみましょう。
過去、ボトックス注射による多汗症の治療は、
保険適用が不可能だったので治療費を全額自己負担しなければいけませんでした。
どうしても費用が高額になってしまうため、
経済的なことを理由に治療を諦めてしまう方がいたのも事実です。
しかし2012年11月から保険適用が可能になり、
経済的な負担を減らすことが可能になりました。
ただ、誰でも保険適用できるわけではなく、
一定の条件を満たした方のみ保険適用できる形なので、
その条件を把握しておく必要があります。
目次
◆どんな条件を満たした場合なの?
では、ボトックス注射で多汗症を治療する時、
保険が使えるのは、どんな条件を満たした場合なのでしょう?
その条件は、重度の原発性腋窩多汗症であることです。
(腋窩・・・えきかとは、脇の下のこと)
・それってどういうこと?
つまり。。。
体質的に、少し脇汗が多いとか、
原発性腋窩多汗症であっても軽度だと診断されてしまうと、
今でも保険を使うことはできないのです。
あくまでも重度の原発性腋窩多汗症で、
日常生活に重大な影響が考えられ、
早期に治療すべきだと判断されなければダメなのです。
・それはどのように判断されるの?
この基準を満たしているのか気になるところですが、
どういった基準で判断されるのか?
その基準とは、
理由がわからない極度の局所性発汗が6ヵ月以上の継続にプラスして、
以下に挙げる6個のうち2つ以上項目以上該当する場合
①両脇共に多汗症がみられる
②多汗症のせいで日頃の生活に差し障りが生じている
③週1回を越す割合でみられる
④25歳になる前に発症
⑤家族もそうである
⑥寝ている間は多汗症発症しない
さらには発汗する量も関係してきます。
①発汗についてまるで気になることがなく、日頃の生活にまるで問題がない
②発汗については耐えられるけれども、日頃の生活に時折都合が悪い
③発汗については全く耐えることができず、日頃の生活にしきりと悪影響を及ぼす
④発汗については耐えることができず、日頃の生活に四六時中影響する
この場合は③④に該当する場合が重度の原発性腋窩多汗症です。
とはいえ。。。自己判断ではよくわかりませんから、
多汗症をボトックス注射によって治療したいと考える時は、
まず医師に診察してもらい、保険適用が可能かどうか相談しましょう。
◆条件なしに健康保険が使えないのはなぜ?
他の医療行為でもそうなのですが、
保険適用は基本的に、
体に悪影響のある症状を治療する目的でないと適用されません。
たとえば。。。
美容整形は命に関わる病気の治療などと違って、
あくまでも見た目の美しさを維持、変化させるためのものです。
なので保険は適用されない仕組みなのです。
多汗症でも同じようなことが言え、
重度でなければ保険を使った治療ができないわけです。
軽度でも多汗症に悩まされている方は多いので、
そうした方にとっては非常に残念ですが、
少し前までは無条件で保険適用が不可能だったので、
それを考えれば今の状況は改善されたとも言えるでしょう。
今後はさらに対応が変わる可能性もあります。
◆最後に
いずれにしてもボトックス注射をする時に、
保険が使えるかどうかは費用の面でとても大きな差が出ます。
ボトックス注射をするかどうか、
保険適用できるかどうかで決めたいと考える方もいるはずです。
自分が重度の原発性腋窩多汗症かどうかは、
医師に診察してもらわないとわからないので、
まずは診察を受け、その後にボトックス注射を含めて、
どんな治療をするのがいいのかを、
医師と一緒に考えるのがベストな方法ではないでしょうか。
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